2021.12.25
リビング階段のある家を建てるメリットとは
一戸建ての間取りを考える時、階段をどこに設置するのかは大きな悩みどころ。少し前までは、玄関に入ってすぐ階段を設置することで効率の良い動線とすることが多かったのですが、最近ではLDKやリビング空間に階段を設置する「リビング階段」をご相談頂くことが多くなってきました。特に吹き抜けとの相性がよく、天井の高いリビング空間を実現できることや、採光面でも大きなメリットが生まれます。
そこで、注文住宅のプランを検討する上で事前に知っておきたいリビング階段を設置することのメリット・デメリットや、プロネットで実際に建築設計した実例をご紹介いたします。
リビング階段とは?
リビング階段とは、その名の通りリビングに階段が接続されている間取りのことをいいます。リビング空間の中に階段があるためリビングイン階段と呼ばれることもあります。上下階を繋ぐ階段がリビングにあることで、空間的な高さが生まれ、ぱっと見で広さを感じる開放的で明るいLDK・リビング空間を実現できるのが特徴のひとつです。
また、お部屋から階段を下りて玄関に向かうような間取りに比べると、リビング階段のある間取りでは、お部屋から玄関に向かいためにリビングを通る必要があるため、ご家族と顔を合わせる機会が多くなることも大きな特徴といえます。
一方で構造上、階段をおりてすぐ玄関に向かうことができないので、お部屋と外との移動という面では効率が悪くなってしまう点がデメリットです。
また、開放的なリビング空間を実現できるかわりに、扉で閉じたリビングに比べるとエアコンの効きが弱くなってしまうため、エアコンの性能や配置箇所など空調のプランニングや、断熱効果を高めるための窓やサッシ、断熱材も事前によく検討しておく必要があります。ただ、ひと昔前に比べるとエアコンや断熱器具の性能は格段によくなっているので、空間的な開放感や明るさを優先される方が多くなっています。
建築事例.1 暮らしを楽しむ吹き抜けリビング
渋谷区に建築した3階建ての木造の注文住宅です。1階の玄関から階段を上がると、高天井の吹き抜けLDKが広がります。リビング・ダイニング空間を吹き抜け空間とし、窓の面積を大きくすることで明るさを確保。キッチンの奥まで自然の光が差し込みます。リビングとダイニングを見渡せるカウンタータイプのキッチンは、開放感にあふれ料理をしながらご家族との会話もスムーズに。
3階の居室は中央の吹き抜けを渡り廊下で移動、階段を下りリビングを通って玄関へ続く動線は、いつでも家族の動きを感じることができます。階段の間には造作で収納棚を設けることでデッドスペースを有効に活用しています。
建築事例.2 SE構法で実現した大空間と家事ラク回遊導線
ご家族の念願だったリビングの大きな吹き抜けをSE構法で実現した港北区の注文住宅。のびやかに広がる吹き抜けが特徴的なLDK空間。SE構法の採用により柱や壁で遮ることのない視覚的な開放感と、耐震等級3を取得するほど高い耐震性を実現しました。対面式のキッチンからは、リビングもダイニングも一望できるので、お料理中でもお子様を見守ることができます。
リビング空間には存在のある梁とリビング階段が目を引きます。吹き抜け空間の上部に設置した高窓は、室内に自然光を採りこむだけではなく、隣家からの視線を遮るプライバシーの確保にも一役買っています。
洗面室やお風呂などの水回りスペースはLDKからもキッチンの奥からもぐるっと繋がる動線設計としています。生活動線と家事動線の衝突を避けつつ、キッチンから入浴中のお子様の様子を見ることができるので安心です。