2025.03.31
プライバシーを守りくつろぎの空間を叶える家づくりの3つのアイデア

隣家や道路との距離が近い都市部の家づくりで欠かせないのが、プライバシーを守ること。家族の安全を守り、お子様たちの健やかな成長を見守るためにも、プライバシーを保護してゆったりとくつろげる空間をつくりましょう。
しかし、極端に窓の数を減らすなど、外からの視線を強く意識しすぎてしまうと、室内の暗さや閉塞感が気になってしまうこともあります。そこで快適さと開放感を保ちながら、上手にプライバシーを守る3つのアイデアをご紹介します。
1.窓の形と位置
大きな窓は光をふんだんに取り込み、開放感を高める一方で、外からの視線も入りやすくなる点に注意が必要です。細長い形状のスリット窓なら、外から室内の様子が見えにくく、自然光を取り込むことができます。人通りの多い道路に面した場所にはスリット窓、視線が気になりにくい部分は大きな掃き出し窓をつけるなど、デザインにメリハリをつけて選んでみましょう。
2.高さを活かす工夫
室内の開放感を高めるなら、勾配天井や吹き抜けなど高さを活かす工夫を取り入れるのもおすすめ。勾配天井は特に2階リビングとの相性がよく、空間が広く感じられるだけでなく、天井の斜めのラインがアクセントにもなります。
吹き抜けは開放感を高めるのはもちろん、他の階で過ごす家族を身近に感じられる、子育て世帯との相性もよい間取りです。天井に近い位置に窓を取り付けると、外からの視線を気にせず光を取り込むこともできます。
3.プライベート感のある間取り
間取りを工夫することで、外からの視線を気にせず、家族がくつろげる空間を作ることもできます。例えば、2階にリビングを配置すれば道路からの視線を避けられ、中庭なら外から見えずに家族だけの屋外空間を楽しめます。このように上手に空間を配置することで、都市部の限られた敷地でも、周囲を気にせずくつろげる住まいを実現できるでしょう。
これら3つのアイデアが実際にどのように生かされているのかを、プロネットが手がけたプライバシーに配慮した建築実例から見ていきましょう。
建築事例.1 プライバシーと開放感を両立する空間設計

まずご紹介するのは、東南向きの角地に建つ2階リビングの注文住宅です。広々とした約23畳のLDKを2階に配置し、プライバシーを確保しながら明るさも両立しています。
道路に面した東側には、横長のスリット窓を高めに設置。通常なら視線が気になる角地でも、2階リビングとスリット窓の組み合わせにより、周囲を気にすることなく心地よい光を取り入れています。
屋根形状を活かした高さのある勾配天井で、開放感を演出。板張り天井と、シーリングファンが印象的な空間になりました。
建築事例.2 空間をゆるやかに分けるバルコニー

次にご紹介するのは、17.1坪という限られた敷地で、明るく開放的な空間を叶えた事例です。LDKは3階建ての2階部分に配置。バルコニーを中央にコの字型のLDKをつくることで、リビングにもダイニングにもバルコニーからたっぷりと光が差し込みます。
バルコニーを介して緩やかに分かれたリビングとダイニングは、適度な距離感でありながら声が届きやすく、キッチンからお子様の様子を自然と見守れる間取りです。3方向に出入口を設けたバルコニーは、外からの視線を気にせず家族だけの屋外空間として活用できます。3階バルコニーが屋根代わりとなり、洗濯物も安心して干せる実用的な空間です。