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家づくりコラム

Column

2024.08.24

小上がりのある家の魅力と活用法を事例と共に紹介

小上がりのある家の魅力と活用法を事例と共に紹介

日本の住宅文化に深く根付いた「小上がり」。部屋の一角に段差をつけて設けたスペースのことを指す伝統的な空間設計ですが、現代の住まいにも新たな魅力を与えています。

小上がりをつくることで、物理的な壁がなくても空間を視覚的に区切れるのがメリット。オープンな雰囲気を保ちながら、プライバシーや用途に応じたメリハリのある空間分けができるでしょう。また、段差部分を収納スペースとして活用できるのも利点です。季節物の寝具や衣類、不要な家具など、かさばるものの収納に役立ちます。

床に座る文化のある日本では、小上がりは自然とくつろぎの場所になります。畳や座布団を敷けば、落ち着いた和の空間に早変わり。家族の団らんや、お客様が来たときなどに、リビングとは違った癒しスペースになるでしょう。子育て世帯では、お子様の遊び場やお昼寝スペースとしても重宝します。段差に腰掛けてくつろげるのも、フラットな和室にはない魅力です。

小上がりをつくる際には、気をつけておきたい点もいくつかあります。ご年配のご家族が家族にいる場合、小上がりの段差が移動の妨げになることも。中途半端に低い段差はかえってつまずきやすくなるため、腰掛けやすく立ち上がりやすい30〜40cmほどの高さが人気です。ただし、小さなお子様は転落の危険があるため、低めの小上がりを検討されてもよいかもしれません。

また、小上がりをつくると、お掃除ロボットが使えないのもデメリット。他の空間とは分けて掃除しなければなりません。家具を置くスペースが限られることや、フラットな和室と比べて狭さを感じてしまうこともあるため、小上がりの広さや位置などにも配慮が必要です。

さまざまな活用方法がある小上がり。ここからはプロネットが手がけた小上がりのある建築事例を見ながら、活用方法や設計のポイントについて解説します。

建築事例.1 キッチンとつながる畳の小上がり

建築事例.1 キッチンとつながる畳の小上がり

はじめにご紹介するのは、川崎市高津区にある注文住宅。この住宅の特徴は、三角形の土地を巧みに利用していることです。通常は角の部分を持て余しがちですが、逆にその特性を活かして玄関を三角形の頂点に配置。そこからLDKに向かって空間が徐々に広がるようにし、敷地の形状を最大限に活用しつつ、広々としたLDKを実現させました。

小上がりを設けたのは、LDKのキッチンの正面です。畳敷きの小上がりは、寝転がってリラックスできる空間。小上がりに座ることでキッチンに立って作業するご家族と自然に目が合う高さになり、家族間のコミュニケーションが取りやすくなります。

こちらのご家族はペットの猫と一緒にお住まいで、小上がりではご家族も愛猫も一緒にくつろぎの時間を過ごされています。

建築事例.2 リビング横にあるくつろぎの小上がり

建築事例.2 リビング横にあるくつろぎの小上がり

続いてご紹介するのは、横浜市西区の注文住宅。キャンピングカーを収納できる大きなガレージのある住宅は、高級感漂う玄関スペースや外観が特徴です。物が部屋に散らかりにくいようLDKの収納を多めに設置し、お子様が走り回っても安全な空間づくりをしました。

小上がりがあるのはリビングの隣。モダンなダークカラーの畳を採用し、落ち着いたデザインにしています。小上がりの高さに合わせて壁側に大容量の収納も設置し、必要な物以外は収納できるようにしました。

小上がりにはテレビも置いて、第二のリビングやくつろぎスペースなど多目的に伝える空間。リビングとの間は仕切りドアを設けており、おこもり部屋としても使用いただけます。



小上がりには、空間の区切り、収納力の向上、くつろぎ空間の創出など、多くのメリットがあります。一方で、バリアフリーの課題もあるため、導入の際はご自身やご家族の生活に合わせて検討することが大切です。これからマイホームを計画されている方は、小上がりの導入を考えてみてはいかがでしょうか。